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ウズベキスタン

最終更新日 2010年9月23日

6月にウズベキスタン旅行で訪問。

前から行きたかったのだけど、夏や暑いし冬は寒く、ビザがいるので事前準備が必要、ということでなかなか実現できなかった。

いったいどんなところにいくのか？と聞かれましたが、イスラム建築は見応えがあるし、食事もおもしろいし、人も親切なのでとても良いところでした。良く言われるお腹のトラブルもなく旅行終了。

日本人のツアー客も見ましたが、フランスからの旅行客は結構見ました。実は日本から直行便が出ているし、今後人気が出て行くように思います。

経済的にも貧しい国ですが、旅行であった人達を見ていると、将来は明るいようにも感じました。

国について
ヒヴァ(Xiva / Хива)
ブハラ(Buxoro / Бухара )
シャフリサブス(Shahrisabz / Шахрисабз)
サマルカンド(Samarqand / Самарқ анд )
タシケント(Tashkent / Ташкент )

国について

国の概要

国の概要
国名	O'zbekiston Respublikasi（ウズベキスタン語）、Republic of Uzbekistan（英語）、ウズベキスタン共和国（日本語）
国土	ユーラシア大陸のど真ん中にあり、周りのカザフスタン、キルギス、タジキスタン、アフガニスタン、トルクメニスタンも内陸国。中部から西部はキジルクム砂漠、東部には山地もある。
気候	西部から中部はBWやBS。ほとんど雨が降らない。しかし、東部の山地では雨が降る。
人口	約2,609万人(2003)。
民族	ウズベク人71.4%、ロシア人8.3%、タジク人4.7%、カザフ人4.1%、タタール人2.4%。ロシア人は大都市でよく見た。タジク人は東部でよく見た。
宗教	イスラム教スンニ派。ただし、ソビエト時代の影響もあり、厳格ではない。
首都	タシケント(ウズベク語Tashkent / Ташкент )
経済状況	一人当たり国内総生産2,629ドル(PPP,2008) 統計から見れば、まだまだ非常に貧しい国である。
時間	UTC+5。日本より4時間遅れている。

言語

公用語はウズベキスタン語。ただし、ロシア語も話せる人も多い。英語で話せる人はホテルや観光客向けの店の人が中心。

文字についてはややこしく、ソ連時代からキリル文字が使われてきたが、現在はラテン文字に変わった。しかし、依然としてキリル文字が優勢で、街中の店やマルシュルートカなどの行き先もキリル文字。街の広告はラテン文字とキリル文字が半々くらい。道路標識はラテン文字も多い。ただし、地名についてはラテン文字で記されていても若干英語表記と綴りが違う。

わざわざ字を替えるなんて面倒なことをしなくても、と思うが、歴史的に見ればもともとソグド文字とか独自の文字があり、イスラーム化してからはアラビア文字になり、一旦ラテン文字になってからキリル文字になり、現在ラテン文字になっている。ややこしい。

ロシア語はかなり通用していて、外国人だと見ればロシア語で話しかけてくる。話し好きの人も多いので、「ロシア語話せる？ダメ？そうかあ。」ということがしばしばあって残念だった。

ウズベク語（正確ではないかも知れないが通じたもの）
こんにちは	Ассалому　алайкум！	アッサローム・アレイクム！
こんにちは	Салому！	サローム！
ありがとう	Раҳмат	ラフマト

歴史と文化

歴史

ウズベキスタンの歴史は複雑だが、概要を知っておくと理解しやすい。

中央アジアは非常に降水量が少ない地域で、北部（カザフスタンのあたりなど）は草原が広がっていて、人々は遊牧で暮らしてきた。南部は砂漠だが、東南部にはパミール高原があり、そこからアムダリヤ川（アム川）、シルダリヤ川（シル川）といった川が流れ出しており、こうした水が得られる地域は農業が可能であり、定住して都市ができた。

北部の遊牧民が南部の都市を征服すると、遊牧民の軍事力と都市の富が合体して大帝国ができる、というのが基本的なパターンになる。大帝国も何回かできている。

中央アジアは古くはアーリア人が住む地域で、いろいろな言葉が話されていたが、イラン系の言葉が主体だった。宗教も大仏を作った仏教をはじめとして、マニ教など多様だった。紀元前にはアレキサンダー大王もこの地まで達している。しかし、9世紀頃にイスラム化され、テュルク系言語が主流になっていく。（ただし、タジキスタンは先住のアーリア人の血を引き、ペルシャ語系の言葉を話している。）

13世紀にはこの地域はモンゴル帝国に飲み込まれ、多くの街や建物が破壊されてしまう。この影響もあり、現在中央アジアで見られる壮麗な建築物はほとんどがこれ以降の物である。

モンゴル帝国が瓦解した後、14～16世紀にこの地を支配したのはティムール帝国で、建国したティムールは現在のウズベキスタンでも英雄視されている。文化の面でも絶頂期となる。君主であって学者であったウルグベク、宰相であって文人であったアリー・シール・ナヴァーイーが挙げられる。

ティムール帝国はウズベク族に滅ぼされてしまい、その後大帝国は成立せず、ヒヴァ・ハーン国、ブハラ・ハーン国、コーカンド・ハーン国といった国が並立する時代となる。しかし、近代になると遊牧民の軍事的な優位性というものが近代兵器の登場によって失われてしまい、18～19世紀になると周囲のロシアや清に征服されてしまう。

現在ウズベキスタンとなっている地域はロシアに征服され、ソ連の一部となって、ソ連崩壊とともに独立した。この影響でロシア語を話せる人は多いし、ロシア人もいるし、イスラム教の地域ではあるもののそれほど厳格ではない。

文化

よく出てくる用語について解説。

ハーン

ユーラシアの遊牧民における君主の呼称。もちろんモンゴル帝国のチンギス・ハーンもそう。ただし、ティムール帝国の建国者ティムールはハーンではなくアミールと呼ばれる。アミールというのはイスラム世界由来の言葉で有力者を意味するが、モンゴル帝国の影響がまだ残る中で、ティムールはアミールであってもハーンとはならなかった。

メドレセ

神学校。アラビア語ではマドラサと呼ばれる。青いタイルの前面から入ると中は中庭になっている。有名なメドレセは現在ではたいてい中が観光客向けの土産物屋になっている。

アイヴァン

屋根付きのテラス

ユルタ

遊牧民のテント。遊牧民がオアシスを征服して国家を作ると都市や宮殿を造ったりするが、実際には建物の中には住まず、近郊や庭にテントを張っていたらしい。不思議。

チャイハナ

喫茶店、カフェ、レストランのような物。席は絨毯が敷かれた台のようなところに靴を抜いで上がり、ちゃぶ台のようにテーブルで食事をする。ただし、最近の店は普通のテーブルと椅子が多いようだった。

通貨

スム。

過去にものすごいインフレになったらしく、大変なことになっている。通常流通している紙幣は1,000スムか500スム。だから、100US$なんて両替すると、紙幣が158枚になる。

よく海外では現金は見られないように、などというが、みんな札束を輪ゴムで止めて、ポケットやカバンに入れて持ち歩いている。車だと、ダッシュボードに札束が、ポンと置かれていたりする。

インフレはよくないですね。国際キャッシュカードが使えるATMも大都市にはあることになっているが、このように大量の紙幣が必要なため、さすがに入らないのか、実質的に動いているものはない。

クレジットカードもほとんど通用しないので、今時US$の現金を持っていかなければならない。

両替

レートはいろいろあるが、2010年6月できちんとしたところで替えると1US$=1,580スム。

多く両替しようとすると大変な札束になってしまう。日本円は多分、タシケントかサマルカンドの限られた場所でしか両替できない。ブハラでもきついと思う。きついというのはレートが悪かったり、1万円札しか換えられなかったりと言うことで、1万円札しか替えられないのにそれだけの紙幣の準備がなかったりする。

チップ

ほとんどいらないと考えてよい。

ビザ

必要。

今回はビザの取得も利用した旅行代理店株式会社エムオーツーリストCISロシアセンターにお願いしてしまった。

あともう1点面倒なのは、レギストラーツィア（滞在登録）で、ホテルに泊まるたびにこれをもらって保管しておき、警官等に求められたときには見せなければならない。そう聞くとすごく格式張った書類をもらうのかと思いきや、ポストイットにゴム印を押したような物をくれたりするので、それを後生大事に持っていなければならない。

また、税関申告書を入国用と出国用の2枚書き、入国時と出国時に1枚ずつ提出する。タシケント空港で到着したときはロシア語の用紙しかなくて困り、出国するときは英語の用紙しかなくて現地の人が困っていた。

料理

いかにも東西を結ぶユーラシア大陸の真ん中といった感じで、アジア風とヨーロッパ風が混じったような料理が出てくる。肉は羊肉が多い。ただし、チャイハナなどで出てくるメニューは8種類くらいしかなく、どこでも同じなので、長期旅行すると飽きてしまうかも。

ナンは重要で必ず出てくるインド料理で出てくるしずく型のものではなく、丸いが、厚さなどは地方によって違う。ヒヴァでは自分の家で焼いているのも見た。ちなみに現地の人はナンではなく、ノンと発音しているように聞こえる。料理を注文すると、ノン？（ナンはいる？）と返されるので、最初は頼んだ料理が出せないと言っているのかと思って混乱した。

肉は一応イスラム教であることもあって豚肉は出てこない。羊肉が中心。

飲み物はビールを飲んだりしている人もいるが、基本的にはお茶を飲んでいる。コク・チョイ（チャイというよりチョイと聞こえる）という黒いお茶を飲む。中国茶のようなもの。これが紅茶のティーポットみたいな物で出てきて、茶碗で飲む。茶具は青い綿花の模様が定番。

料理としてはプロフと呼ばれるピラフが"national food"だとのこと。その他、シャシリクという串焼きの肉、ラグマンやノリンという麺などもある。脂っこいことを除けば、日本人にとって親しみやすい料理。

しかし、お腹壊すという話をよく聞く。私は幸い大丈夫だったけど。

手工業

ウズベキスタンというと、おみやげは刺繍を施した布であるスザニや木細工と言われることがある。

こうした手工業の技術はかなり層が厚いようで、観光地に並ぶ手工業のお土産屋では、店番のおばさんが黙々と編み物をして商品を生産しているし、有名なメドレセはもちろん、街中にある建物でも、木の扉には見事な彫刻が施されているのをよく見かける。

さらには博物館などの監視員というと他の国ではたいてい居眠りしたりしているが、ウズベキスタンのおばちゃんはこうした場でも黙々と刺繍をしてちょっとした小物を作っており、なんと博物館の訪問客に売りつけてくる。たくましい・・・。

ユニクロや青山は中国やバングラディシュだけではなく、ウズベキスタンに進出するといいと思うのですが、どうでしょうか。

車

韓国のDAEWOOが現地で合弁企業を設立しているらしく、車はDAEWOOが多い。というより、DAEWOOの車がほとんどで、別の車はあまり見ない。さらに、セダンタイプのNexia、軽自動車のTico、軽のワンボックスのDamas、リッターカーのようなMatizしかない。なので、同じ車がたくさん走っているという不思議な光景。

ヒヴァ(Xiva / Хива)

ヒヴァのイチャン・カラ

ヒヴァはウズベキスタン西部、ホラズム地方のアムダリヤ川下流に位置しており、街自体が世界遺産になっている。現在の人口は約6万人。

アムダリヤ川の下流となるウズベキスタンの西部は古くからホラズムと呼ばれる地域。雨が降らない。ヒヴァはこの地域の国ヒヴァ・ハーン国の首都となり、中央アジア最大の奴隷市場があったという。

ウズベキスタン旅行で2010年6月3日（木）に成田からタシケント経由で到着し、1泊して2010年6月4日（金）にブハラに向けて出発。

Wikipediaのヒヴァ情報

到着

成田空港からウズベキスタン航空で関西交際空港経由でタシケントに飛び、そのまま国内線に乗り換えてヒヴァ近郊のウルゲンチまで飛んだ。

東京からタシケントへ

2010年の6月2日（水）の夕方に会社を出て東京駅へ。成田エクスプレスの切符は買ってあって、珍しく余裕を持って駅に到着した。中央アジアの本を読んでいたら列車が到着。違う方面から来た列車を接続したりいているので、また本を読んでいてふと目を上げるとなんだか接続作業にしては速い動き。いつのまにか目の前で出発してしまった。あわてて次の成田エクスプレスの切符を買って、成田空港の第1ターミナルへ。

時期と時間のせいか空港はとても空いていた。ウズベキスタン航空HY528のB757で20:20出発。出発間際なのに飲み物のサービスがある。でも、座席にテレビはない。

このウズベキスタン航空は関空経由、というか、タシケント、成田、関空という3点を回って運行されている。そのため、成田でも乗り降りする人がいるし、関空でも乗り降りする人がいる。

関空には22:00ごろ到着して一旦全員降ろされ、再度に荷物の保安検査をしてから22:30に出発。

翌6月3日（木）の3:00ごろにタシケント空港到着。

飛行機を降りたところにバスが待っていて、何か係員のおばさんが叫んでいる。混んでいるので2台目に乗れということかと思って2台目に乗ってターミナルビル近くに。すぐにターミナルビルに入らずに、バスの車内で何やら次の飛行機の搭乗券を一人一人名前を呼んで配っている。ようやくターミナルビルに入ったら何かおかしい。そのおばさんがいたので聞いてみたら、どうやら国際線のトランジットのグループに入ってしまったらしく、「何度も言っていたでしょ。」と怒られた。同じような人達とおばさん係員の先導で入国するための場所まで連行された。

空港内、ウズベキスタン語、ロシア語はともかく、標識に日本語表示があってびっくり。そんなに日本人が来るんでしょうか。

入国手続の係員の男性はにこりともせずパスポートをチェック。何かを言われて言葉がよくわからなかったが、隣の係員が何か言ってくれて解決。

入国手続の次は税関。申告書を2枚書くのだがこれが面倒。探し回って英語のものを見つけて記入し、税関を通過。

通過をしたら到着ロビーのような所に出るのかな、と思ったら、小さなカウンターのカフェがあるだけで、いきなりビルの出口。こんな時間なのに男達がうじゃうじゃたむろしている。

せめて両替をしようとしたが、両替所は人がおらず、ブースに貼られた紙にはインフォメーションに行けというように書いてあるようだが、インフォメーションにも人はいない。"Change Money?"という声は非常に多くかかるが、最初なので慎重を期して相手にしなかった。

2Fにある出発ターミナルに入れるかと思ったが、旧ソ連の空港でよくあるように出発時間が近い人のみチケットを見せてビルに入れる仕組みの模様。隣にある国内線のターミナルビルに行こうとしたら5:00にならないと開かないということ。

仕方がないので、国際センターミナルの出口で立って待った。テレビで鳩山さんの辞任会見のニュースを流していた。

タシケントからウルゲンチへ

5:00過ぎになって、薄明るくなってから隣の国内線ターミナルビルへ。ここはベンチがたくさんあって広い。しかし、これまた両替所は閉まっている。ウルゲンチの空港で替えるか、ということで諦めた。

ウズベキスタン航空HY1051で7:00に出発。飛行機はTu-154mだった。

ウルゲンチの空港には8:00過ぎに到着。ここは小さな空港でターミナルの小さな平屋のビルに入って荷物を受け取った。出口の前に小さな両替ブースがあるがこれまた人がいない。金がないとヒヴァまでいけないのにこれは困った。

周りの人達はツアーのようで、ぞろぞろ出口から出ては観光バスに乗り込んで出発してしまった。

出口の外（中には入れない）から、男が係員に制止されながら一生懸命「出てこい、出てこい」というので出たら、タクシーでUS$10でヒヴァまで送ってやるとのこと。とりあえず両替だ、というと隣の国内線ターミナルビルにあるかも知れないというのでそちらに向かったら着いてきた。国内線ターミナルビルに行ったがそこも9:00にならないと両替の窓口に人が来ないとのこと。その男も係員とおしゃべりしながらなぜか待機。9:00まで待ったがやっぱり人は来ず、根負けしてその男のタクシーでヒヴァまで行くことにした。

ウルゲンチからヒヴァへ

タクシーは普通の乗用車で、トルコでも見るお守りのナザール･ボンジュウがバックミラーにぶら下がっていた。世界はつながっている。

空港から走ると道は広く、旧ソ連という感じ。ウルゲンチの街に入ると市場に近づくようで人が多くなる。鮮やかな民族衣装を着た女性達が日傘を差して道をゆったりと往来していて、今まで見たことがない雰囲気で興奮した。

ウルゲンチの街を出ると今度は畑の中を一直線に進む道。トローリーバスも同じ道をのんびりと走っている。畑では農作業をしている人がいるが、まったく機械化されておらず、鍬で作業している様子。

ヒヴァの街に入ると住宅が多くなってくる。イチャン・カラが見えて、その横を通って宿泊予定のMALIKA-KHIVAに到着。

宿泊

MALIKA-KHIVA

2010年6月3日（木）から2010年6月4日（金）に1泊。

イチャン・カラの西門の目の前にある便利なホテル。

チェックインして、ようやくUS$をスムに両替してもらい、ホテルでシャワーを浴びて一息ついた。

イチャン・カラ

ヒヴァの街は2重の城壁で囲まれているが、内側の城壁に囲まれているのがイチャン・カラで、ハーンの宮殿があってメドレセなどもあったところ。見どころが集中していてテーマパークのような感じ。

イチャン・カラ自体も歩いて回れる大きさの上に、観光客はほとんど中心部に集中している。なので、イチャン・カラでも中心から離れると観光客が少なく、地元の人の生活が見られておもしろい。

オタ・ダルヴァザ門（西門）

父の門という意味。イチャン・カラの東西南北の4つの門で一番賑やかなのがこの門。中に共通チケット売り場がある。イチャン・カラは中に人も住んでいるので特に入るのにチケットがいるわけではないが、メドレセなどの建物は博物館になっていて入場料が必要。個別に支払ってもよいが、共通チケットがあるとほとんどのものに入れるようになる。

カルタ・ミナル

門を入ってすぐに、というか入る前から見えるのがこのカルタ・ミナル。巨大なミナレットを作ろうとして、途中で中断してしまったためこのような形になっている。名前も短い塔という意味。

クフナ・アルク

古い宮殿という意味のハーンの宮殿。17世紀に建てられた。塀に囲まれた中にたくさんの建物がある。

アクシェイフ・ババの見張り台に上るとイチャン・カラが一望できる。ただし、他の所でもそうだが、こういったところに上る場合には追加料金を取られる。

スザニセンター

イチャン・カラの中心部に工房が集まった地域があり、スザニを作ったり、木工製品を作ったりしているのをのぞき見ることができる。

スザニというのは刺繍を施した布で、中央アジアの女性達に大切に受け継がれて来た技術。ここでちらっと見たときは何とも思わなかったが、後でブハラやタシケントで見てみてすごいものだと思い知らされた。

木細工は男性がやっていて、ラウヒと呼ばれる書見台がよくお土産として売られている。

パフラヴァン・マフムド廟

ヒヴァの大臣であり、クラッシュと呼ばれるウズベキスタンの格闘技の名手だったマフムドがまつられている霊廟。井戸があって、若い女性達が飲んでいた。

実際に見ることはできなかったが、クラッシュというのは現在のウズベキスタンでも人気があるようで、サマルカンドへ行く乗合タクシーで一緒になった学生は、サッカーに次いで人気だと言っていた。

イスラーム・ホジャ・メドレセ

細長くてヒヴァで一番高いミナレットを持つメドレセ。この建物はヒヴァ・ハーン最後のハーンの時代、1910年に建てられたイチャン・カラでは新しい物。

ジュマ・モスク

10世紀に建てられ、修復工事を重ねてきた。中は薄暗くて、たくさんの柱が並んでいる。この木でできた柱というのもウズベキスタンでよく見る物で、下太りになっていて、一番下が細くなり、石の台の上に乗っている。手の込んだ彫刻が施されている。

アラクリ・ハーン・メドレセ

パルヴァン・ダルヴァザ門（東門）の近くにあり、入口にはレストランもある。北側にあるキャラバンサライ（隊商宿）は中がバザールになっていて、観光客向けのものだけではなく、いろいろな生活用品を売っていて楽しい。

タシュ・ハウリ宮殿

こちらはクフナ・アルクの後に建てられた宮殿。中にはには豪華なアイヴァンが見られる。

パルヴァン・ダルヴァザ門（東門）

勇士の門という意味だが、かつては奴隷の門と呼ばれ、近くに奴隷市場があったという。奴隷として価値があったのは職人と若い美人だったそうだ。最近までバザールが近くにあったらしいが、工事中だった。

門の近くのモスクで座ってお茶をしている人が、来い来いと言う。近くの別の人に言っているのかと思ったが、また通りかかると来い来い。ということで、突然仲間に入れてもらってサムサという小さな餃子のようなパンとお茶をごちそうになってしまった。ロシア語は話せるのか？と聞かれたが話せない。残念。ということで身振り手振りだけで会話はできなかった。ミナレットに上れよ、と言われてせっかくなので上ってみたら、とても眺めがよく、これもよい思い出になった。

これに限らず、ウズベキスタンの人達は外国人であってもまったく人見知りをしないでフレンドリーなのがおもしろいところ。

チャイハナで昼食

ウズベキスタンで初めての昼食はチャイハナに入って、コク・チョイというお茶とラグマン。

コク・チョイというのは黒いお茶という意味で、現地の人はみんな飲んでいる。たいていこの写真のような模様のティーポットと茶碗で出てくる。中国茶のような味で、暑い中でこの熱いお茶を飲むのがなかなか良い。

ラグマンはうどん。ラーメンに似た語感。もともとウイグルの料理なのかもしれないが、ウズベキスタンでもよく見る。細い冷や麦のような麺にトマト風味のスープ。上にジャガイモやにんじん、そして羊肉がのっかっていて、パクチーが振りかけてある。これをフォークで食べる。東西折衷という感じ。

店の女性も愛想がよかったし、ラグマンはおいしかったけど、会計は6400スム。後でいろいろなところに行ったときと比較すると、ちょっと高かった気がする。

カズィ・カラーン・メドレセ

昼食を食べてホテルに帰るときに見学。音楽の博物館になっていて、民族楽器が飾ってある。

ここを見てからホテルに戻ったが、疲れて少し寝てしまった。

パフチャ・ダルヴァザ門（北門）

夕方、もう一度起きて、ホテルを出て夕暮れのイチャン・カラへ。

今度は中心部を離れてパフチャ・ダルヴァザ門（北門）へ。中心部を離れると急に観光客が減り、生活感たっぷりの街になって楽しい。家もとても質素な作り。エミール・トゥラ・メドレセを過ぎて、一番北のパフチャ・ダルヴァザ門（北門）まで。ここも観光客はあまりいないが、ウルゲンチに向かうにはここから出発する。

少子高齢化が進む日本と違ってウズベキスタンでは子供や若者が多いように感じるが、門から中心部に戻るために歩いていたら、小さな女の子がくっついてきた。側を歩きながら一生懸命話しかけてくるのだけど、もちろんさっぱり何を言っているのかわからない。そうしているうちに書く仕草をして、書く物があるかと言っている様子。子供がボールペンを欲しがるというような話を聞いていたので、ボールペンを渡すと自分の手に試し書きをしてみて、はじけるような笑顔を見せてお礼を言われた。まあ、おねだりされたということだけど、何だか素朴で良い感じ。

ちなみにそのボールペンは、フィンランドのヘルシンキを旅行しているときに買ったドイツ製の物。一緒に世界を旅行してきた物ですが、最後は日本人の私からウズベキスタンの少女の手に渡ったのでした。世界は1つです。

タシュ・ダルヴァザ門（南門）

今度は南に歩いて行くとタシュ・ダルヴァザ門（南門）に出る。石の門という意味。ここはさらに閑散としている。

住宅街を歩いていると、家の外にナンをやく釜があることに気づいた。実際に焼いているところも見た。なんで外にあるんだろうと思ったが、雨も降らないし問題ないのだろうと思う。後にブハラやサマルカンドに行くとみんなナンは外で買っているようだったが、イチャン・カラではこうした釜で自家製のナンを焼いているのか、外でナンを売っているのはあまり見なかった。

チャイハナで夕食

夕食はカルタ・ミナル近くのチャイハナで。これにしろ、と進めるのでそれを頼んだ。最初はマンティという中央アジアの料理かと思ったが、よく考えるとこれはロシア料理のペリメニという気がする。ヨーグルトをかけて食べるように指導された。5000スム。

食事中に猫がこのペリメニを狙ってテーブルの上にまで乗り出してくるので弱った。店の猫なのか、店の人に怒られていたが。

出発

1泊した2010年6月4日（金）にブハラに向けて出発。

ブハラ(Buxoro / Бухара )

ザフラシャン川流域にあるウズベキスタン南東部のオアシス都市。9～10世紀にイスラーム化したイラン系定住民によって中央アジア最初のイスラーム国家サーマーン朝が興ったが、ブハラはその都として大いに栄えた。ここもまた歴史地区が世界遺産となっている

中国では安国と呼ばれ、中国にいたここの出身者は安という姓を名乗っていた。

ウズベキスタン旅行で2010年6月4日（金）にヒヴァから到着し、2泊して2010年6月6日（日）にシャフリサブスに向けて出発。

Wikipediaのブハラ情報

到着

ヒヴァから乗合タクシーでウルゲンチを経由してブハラへ到着した。キジルクム砂漠を突っ切っていく7時間の旅だった。

ヒヴァからウルゲンチへ

ヒヴァのホテルを8時過ぎにチェックアウトし、イチャン・カラの中をパフチャ・ダルヴァザ門（北門）まで歩いて行くと門の前で男が声をかけてきた。ウルゲンチまで行くかと聞くので、今日はブハラまで行くんだと言うと、ウルゲンチで別の人も乗せてブハラまでいけるとのこと。値段を聞くと逆にいくらがいいか聞かれたが、先方の言い値はUS$25、40,000スムということなのでそれで交渉成立。

ちょっと待ってね、車を出すからというので着いていくと、本当に門の手前の角が彼の家で、一旦中に入ってから車の乗り込んだ。彼は韓国に行ってDAEWOOで働いていたことがあり、現在では4台の車を持っているそうだ。出稼ぎで一稼ぎして成功した、といったところだろうか。これまでに日本人を乗せたこともあるそうで、ちょっと古いが日本語のヒヴァのガイドブックや日本人が映った写真も見せてくれた。

パフチャ・ダルヴァザ門（北門）を出ると、一人の女性と男性二人がさらに乗って満席に。ウルゲンチに近づくと彼らはそれぞれ降りていき、最後はウルゲンチ駅近くの大通りで止まった。そこには同じような乗合タクシーがたくさん止まっていて、今度はブラザーの車に乗り換えるように言われた。このブラザーというのは普通は兄弟だと思うのだが、「彼はブラザーだ」というのがよく出てきて、親しい友人という意味なのかよくわからない。

ウルゲンチからブハラへ

少しウルゲンチで待ってから、他の客が決まったので新しい運転手で出発。若い男性の二人組とおばさん一人。こうした場合、女性が助手席に座るので、男性3人は後部座席に詰め込まれる。客3人にすれば余裕が出ると思うのだが、必ず4人詰め込む。

走り出してしばらくすると警官の検問のようなものがあって何だろうと思ったら、アムダリヤ川らしい大きな川を渡るところだった。しっかりした橋ではなく浮き橋のようで、通行量を制限しているのかもしれない。

川を渡ってしばらくするとガソリンスタンドで給油。普通に給油口から給油するのかと思ったら、後ろのトランクを開けて中に鎮座している赤い大きなタンクをいじり、後ろのバンパーの下のノズルにつないで給油していた。長距離を走るのでそのような仕組みになっているのかも知れない。何しろ、砂漠を走っていても途中に何km毎にガソリンスタンドがあるということは全くない。

給油後はいっきにブハラへ。しばらくうとうとしてから目を覚ましたら、緑が少なくなり、荒野のような景色となっていた。砂漠と言うが、背の丈くらいの小さな木が所々生えていて、それほど荒涼としたものではない。遊牧しているのか家畜がたくさんいて真ん中にテントがあるのも見た。ところどころで川も見える。しかし、乾燥した大地の中を水をたたえた川が流れているのも不思議な光景。地図を見ると湖も所々にあるようだが、塩湖の場合もあるようだ。ごくたまに建物があるが基本的に何もない。たまに検問があって、場合によってはパスポートも提示しなければならない。

私以外の4人はおしゃべりをしたりしているが、言葉がわからないので参加できない。一応後部座席の橋に座っているが、横の男性とくっついてしまい体をよじっているのできついほどではないが快適ではない。冷房は入っていないが、そんなに暑くもなかった。隣の男性が小さなビニール袋に入った粉を口に含んでいるので何だろうと見ていたら、すこし手のひらに分けてくれた。口に含むと・・・なんともいえないむせるような味。乾燥梅干しを100倍濃縮したような味。もっといる？と聞かれたが遠慮したら笑っていた。これはいったい何なんだろう。

途中で食事をするか、と聞かれてように思うのだけど、結局ノンストップでブハラに。ブハラに近づくと緑が多くなり、人家が増えてくる。バザールのようなところに止まると他の3人は降りてしまった。運転手はどこのホテルに行くかを聞くと携帯電話でどこかに電話をしていたが、もう1人男が来て乗りこんで再び出発。彼もブラザーというのだが、本当か。Zaragon Plaza Hotelに泊まる予定だったが、最初は間違えてZaragon Hotelに行ってしまい、戻ってようやく15:00すぎに着いた。お金を払って、運転手達とはお別れ。

宿泊

ZARGARON PLAZA

2010年6月4日（金）から2010年6月6日（日）まで2泊。

新市街にあって、旧市街にはてくてく2kmくらい歩く必要がある。

スタッフは親切で、シャフリサブスへの行き方や両替に相談に乗ってくれた。ただし、US$は両替してくれるのだけど、日本円はレートが悪く、かつ1万円札しか受け付けられない上にお札の準備がないと言われてしまった。

部屋はとても広くてきれいで、朝食もたっぷり食べられた。2日目の朝は団体客がいてヴァイキング形式だったが、1日目の朝は宿泊客が少なかったのかセットされた朝食で、卵料理だけ頼んだら巨大な卵焼きが出てきた。ちなみにソーセージも入っているのだけど、ウズベキスタンではイスラム教だからか大抵チキンソーセージ。

新市街

ホテル近くは新市街で、店や銀行などが並んでいる。車は・・・DAEWOOのNexiaばかり。

旧市街

ブハラに到着した2010年6月4日（金）、早速旧市街を見学。

ラビハウズ

まずはホテルから歩いてラビハウズまで。ラビハウズは池の名前で、ブハラにはこうした池がいくつかある。ラビハウズの周りにはらくだの模型が置かれたりしていて、チャイハナになっている。水はオアシスらしく澄み切って・・・と思いきや濁っていて汚い。

ラビハウズには、ナディール・ディヴァンベギ・メドレセ、クカリダシュ・メドレセ、ナディール・ディヴァンベギ・ハナカの3つの建物が面している。

ナディール・ディヴァンベギ・メドレセ

ラビハウズに面したメドレセ。2羽の鳳凰の真ん中にある太陽に顔が描いてあり、偶像崇拝を否定するイスラム教としては珍しいもの。1622年に建てられた。

クカリダシュ・メドレセ

同じくラビハウズに面したメドレセ。1568年に建てられたもの。

この写真の左側の部分がスザニ屋になっていて、そこの店員の女性がとても親切だった。

マゴギ・アッタリモスク

ラビハウズから歩いて行くと道より一段深くなった場所にある。1936年まで土砂で埋まっていたという。創建は10世紀に遡るブハラでも古い建物。

タキ・テルパクフルシャン

マゴギ・アッタリモスクを横目に見てさらにすすむとある。タキというのは、道の交差点が建物になって市場になっている形式のもの。ブハラ旧市街には3つあった。中はスザニや食器などの観光みやげを売る店となっていた。

手前の右側に見えるメドレセっぽい建物はアジアホテル。

ウルグベク・メドレセ

タキ・テルパクフルシャンを通り抜けると今度はタキ・ザルガランがあり、そこを右に行くとウルグベク・メドレセ。その名の通り、ウルグベクが建てたもので、1418年創設、1585年修復。現存する中央アジアで最古のメドレセ。

ちなみに前でポーズをとっている女性は知らない人です。

中は例によってスザニなどの土産物になっているが、ところどころに写真などが飾ってある。売り込みの女性は熱心で、「これはどう？」「じゃあ、これはどう？」といろんなスザニを持ってくるのだが、そのときはあまり興味がなかったので首を振っていたら、子供みたいに残念そうな顔をするので失礼だけど少しおもしろかった。

アブドゥールアジス・ハーン・メドレセ

ウルグベク・メドレセに向かい合っているのがアブドゥールアジス・ハーン・メドレセ。これはウルグベク・メドレセよりずっと新しいもの。

正面からの写真の左に写っている塔の先端に注意。コウノトリの巣の跡がある。昔はブハラではコウノトリを見かけたが、最近は見ないそうだ。

ミル・アラブ・メドレセ

タキ・ザルガランから反対側にすすむとカラーン・モスクに向かい合ってある。

1536年に建てられたもので、青いドームが印象的。中に入ろうとしたら、もう閉館だと言われてしまった。

カラーン・ミナレット

これぞブハラのシンボルというのがカラーン・ミナレット。右にはカラーン・モスク、左にはミル・アラブ・メドレセが配されている。

カラーンというのは　大きいという意味とのこと。青などの色が使われておらず、黄土色なので独特の雰囲気がある。

1127年のカラ・ハーン朝の時代にできた。ちなみにカラ・ハーン朝はテュルク系の国家で、イラン系で中央アジア最初のイスラム国家であるサーマーン朝を倒してブハラを支配したが、サーマーン朝からの影響でテュルク系最初のイスラム国家となった。

カラーン・モスク

カラーン・ミナレットに隣接しているのがカラーン・モスクでかなり巨大な建物。中庭を歩いて回るだけで結構時間がかかるし、日差しが強烈で暑かった。中庭を奥まで歩き、振り返るとミル・アラブ・メドレセ、カラーン・ミナレットが見える。

路地

カラーン・モスクを見てからさらにすすんで旧市街を歩いてみた。カラーン・モスクの横あたりには地面に商品を並べた露店が出ていて、若い女性が店番をしていた。早速売り込みがかかったが交わしていたら、「帰りに寄ってね。」と日本語で言われた。ううむ。

両脇に土産物屋が並ぶ一角を過ぎ、左に曲がって旧市街の路地に入ってみた。すると通りの横の建物の入口にマハッラの文字を発見。マハッラはオアシス都市内の居住区で、通りの両側や横町から構成され、現在でも精神共同体として機能しているとのこと。日本でいう町内会のようなものだと思う。

観光客が多い大通りと比べて、路地はひっそりとしているし、ヒヴァと同様、普通の民家はとても質素な建物。

歩いて行くと朽ち果てたようなメドレセらしき建物があった。ガイドブックに載っているだけではなく「近所のお寺」といったような建物はたくさんあるようだが、有名なメドレセほど修復などの管理がされていないのかも知れない。

さらに歩いてタキ・サラファンの近くまで戻ってきた。このあたりにも水路やハウズ（池）やミナレットがある。この写真の塔もカラーン・ミナレットに似たデザインだけど違うミナレット。

チャイハナで夕食

ラビハウズまで戻り、池の周囲のチャイハナで夕食。ボルシチとプロフを頼んだ。ビールを勧められたけどやはりコク・チョイ。ボルシチは一般にロシア料理と勘違いされているウクライナ料理。プロフは中央アジアで定番の食べ物で、要は「ピラフ」。ただし、日本のピラフとはちょっと違って脂っこい。そして、乗っかっているのは羊肉、にんじんがたっぷり使われ、ブドウかナツメヤシのようなものが混ぜ込んである。かなりお腹いっぱいになる。全部で8,000スムだった。

クリティ・バザール

ブハラに着いた翌日の2010年6月5日（土）、朝ホテルで巨大なオムレツを食べてから、クリティ・バザールまで歩いた。スイカおいしそう。

スィトライ・マヒ・ホサ

クリティ・バザール前はバスやマルシュルートカの停留所が集まっていて混雑している。ここからマルシュルートカでスィトライ・マヒ・ホサへ向かった。いろいろなバスがあってよくわからなかったが、マヒ・ホサと書いてある7番のバスの乗ったら終点で、入口の前で降りた。

スィトライ・マヒ・ホサは月と星の宮殿という意味らしく、ブハラ・ハーン国最後のハーンによって1911年に完成した。ロシア革命の直前ですね。ずいぶんと新しいせいか東西折衷といった感じの建物になっている。

いくつかの建物があるが入口近くの建物にはアイヴァン風のテラスがあって、真ん中に椅子がある。確か座るのは有料だった。建物の中にも入れる。中はヨーロッパの宮殿風で外観と対照的。建物は博物館にもなっていて、日本製らしき陶磁器も飾ってあった。

宮殿の庭園内にはなぜかクジャクが放し飼いにされている。井の頭公園の動物園のよう。

一番奥にはハーレムとプールがある。このプールは若い女性を泳がせていたそうで、ハーンはそれを眺めて品定めし、気に入った女性にリンゴを投げてその日の相手を決めたという。なんという勝ち組生活。ただし、プールは見たが水はあまりきれいではなかった。

入口に戻ろうと歩いていたら、庭の手入れをしていたおじさんと目があった。目があったら、満面の笑みでお茶に誘われた。どうしてウズベキスタンの人達ってこんなにフレンドリーなんだろう。

建物の中に入るとお茶ではなく、自家製だというリンゴジュースを飲ませてくれた。おいしかったのでお代わりした。片言の英語が話せたので少し話をしたが、子供が二人いて、ブハラに住んでいるもののもう独立しているそうだ。ウズベキスタンの人と話し始めると結婚しているとか、子供や孫が何人いるとか言う話にすぐなるが、これは日本でいう天気の話のような定番な話なのかも。その点でこちらの情報提供が乏しいのは残念だけど。

旧市街2

スィトライ・マヒ・ホサを見た後、70番のバスでクリティ・バザールの近くまで戻り、再び旧市街を観光。

チャル・ミナル

新市街から旧市街に歩いて行く途中、住宅地の奥まったところにある。1807年にメドレセの門番小屋として建てられ、それだけが残ったもの。4本の塔がある。

クカリダシュ・メドレセでスザニの下見

ラビハウズまで来て、前日は中に入らなかったクカリダシュ・メドレセに入ってみた。中は土産物屋で、スザニ売り場もあまり興味がないのでさっと見ようと思ったが、店のおばさんは熱心に売り込むというより何やらどっしりと構えて説明してくれて、聞き入ってしまった。

彼女はスザニを教えているのだといっていたが、スザニにもいろいろあって、次々と見せてはこれはいくらだと思う？と当てさせて解説してくれた。要は良いものと安物があるということ。

まず、手縫いかどうか。裏返して見せてくれるのだが、機械縫いは安物で、細かい目の手縫いのものが良いものらしい。糸もアクリルは安物、絹糸のものが良いということで、赤はザクロ、黄色はタマネギ、青はインディゴで染めているとのこと。/p>

模様については絹糸で次に模様も細い線がひょろひょろと踊っているようなものではなく、太い模様で何重もの刺繍で構成されたり、違う色で縁取りをしていたりするものが良いとのこと。模様については後にウズベキスタン美術館で見てもわかるが確かに地域性が強い。見せてもらったものはこれぞブハラの模様だと胸を張っていたが、鮮やかな色で花などをあしらったもの。同じ模様の繰り返しではなく、いろいろな模様になっているのが作者の想像力なのだそうだ。/p>

特におすすめされたものはバスタオルくらいの大きさのものだったが、模様にも意味があり、真ん中の大きな花は太陽を意味し、その周りの4つの花は四季を意味しているとのこと。その周りは四角で囲まれているが、四角を作るしましまの線は、小さな目を意味していて、魔除けになっているとのこと。端にはサソリが縫い付けられているが、これも魔除けとして守ってくれる、という意味があるそう。亀が縫い付けているものもあったが、これは長寿を願ってのもの。

スザニの大きさは様々だけど、バスタオルサイズのものは一人の女性が1か月半かけて作ったものらしい。機械で作られたハンカチ大のものは安くて、これはおみやげにはいいかもね、といったら笑っていた。

観光客も国によって傾向が違い、新しいスザニを好む国とアンティークを好む国があるそうだ。

ということで、興味がなかったスザニについても相当心が動いたが、後でまた来ることにした。もちろん、人件費が安い国だから日本の感覚からすると安く、普通に買える値段な訳だけど、ウズベキスタンではほとんどカードが通用せず、現金で払わなければならない。で、手持ちの現金がいくらあるかということになるが、物価が安い国だと思って最小限しか持ってきておらず、かつ、お土産のことを忘れていたのでちょっと考えなければ。

アブドゥーラ・ハーン・メドレセ

旧市街を歩いて西へ。サーマーニ公園に入る前のところで、ちらっと横を見たら立派なメドレセが並んでいるので行ってみた。入ろうとしたらおじさんが切符を買うように言うので買うと、中を案内してくれた。中庭に入るが、お土産物屋などはなく、人気がない。上の登れ、というので登ると屋上まで行くことができる。それほど景色が良いわけではないけど。

モダリ・ハーン・メドレセ

アブドゥーラ・ハーン・メドレセの向かい側にはモダリ・ハーン・メドレセがある。これも立派なメドレセだけど、閑散としていた。

イスマイール・サーマーニ廟

さらに西に歩いて行くと公園になり、その中にひっそりとあるのがイスマイール・サーマーニ廟。地味な建物だが、892年～943年に建てられたサーマーン朝の建物であり、中央アジア最古のイスラム建築だという。中央アジアの建物はモンゴルに破壊されてしまったという話が多いが、これはほとんど土中に埋まっていて気づかれなかったとのこと。1925年に発掘された。

チャシュマ・アイユブ

イスマイール・サーマーニ廟から北に歩くとチャシュマ・アイユブと呼ばれる建物がある。預言者ヨブの泉という意味で、内部に泉があるが、現在は水の博物館になっている、といってもちょこっと展示があるだけ。

焼きラグマンで昼食

バラハウズ・モスクの前まで戻ってきて、賑やかなチャイハナがあったので昼食。混んでて座れないかと思ったが、ベンチ式の席に座って焼きラグマンとナン、そしてコク・チョイを注文。

ナンはヒヴァの薄っぺらいものと違って耳の部分がやや厚い。焼きラグマンは、一見焼きそばのように見えるが、味はまったくスパゲティ・ミートソースで、麺が焼きうどんといった感じ。で、やはり相当脂っこい。全部で6,300スム。

隣の席を見ると家族連れで、小さな子供もシャシリクの肉をむしゃむしゃ食べていた。たくましい。

メニューも来て食べ終わってだらだらしていたら、ウェイターが向かい側に座って動かない。働かなくて良いのかな、と思っていたら、どうやら「日本人」に興味津々だったようで、直に話しかけてきた。何歳かというので電卓で「筆談」して41歳だと言ったら「30歳くらいかと思った」と非常に驚いた顔をした。またまたお世辞をと思ったが、後でも同じようなことがあったので、ウズベキスタン人から日本人は若く見えるらしい。というか、この強烈な日差しや食習慣のせいもあるのかも知れないが、結構早く老けてしまうのかも。

持っていて勉強していたロシア語会話集を見るとあっという間に奪われてしまい、真剣に読み始め、あいさつなどそれぞれ日本語でなんて発音するのか勉強し始めた。英語も書いてあってそれも読んでみるのだけど、完全にローマ字読みになってしまっているのでそれは訂正。確かに英語の綴りと発音の関係って難しい。

バラハウズ・モスク

昼食で随分時間をくってしまったが、再び観光開始。まずはチャイハナ向かいのハラハウズ・モスクへ。アルク（城）に向かい合ったハーン専用のモスクで前に池がある。

ハーン専用のモスクでアイヴァン形式。さぞかし立派なのだろうと思って見ていたが。何か違和感が。一言で言うとちゃちい。どうしてなんだろうと思ってよく見ていると、装飾部分で彩色されているのではなく、模様の着いた板を張り付けてあるだけのところがある。最初からこうだったとは思えないので、修復が手抜きなんだろう。

後でサマルカンドにも行ってわかってきたが、ウズベキスタンにある壮麗なメドレセなどの建物は、必ずしも昔のままが保存されているわけではない。かなりぼろぼろになってしまったものを修復したものがあり、その巧拙、あるいは丁寧さがかなり違うようだ。

アルク（城）

ブハラに到着するとカラーン・ミナレットの他、巨大なアルクが目につく。アルクというのは城という意味で、ハーンの居城だった。ヒヴァのイチャン・カラのように、中は1つの街のようになっているらしいが、入ってみられるのは一部だけ。それでも雰囲気は味わえるが。

一旦ホテルへ

あまりに厚く弱ってきたので一旦ホテルに戻ることに。

再びカラーン・ミナレットの近くまでもどり、強い日差しの中をてくてくとホテルまで。ラビハウズから新市街まで水路沿いに歩いて行くが、池と同様、あまり水路の水もきれいではない。

目が合うと若い女性もHello!と声をかけてきたりして、ブハラでも相変わらずウズベキスタンの人はフレンドリー。

クカリダシュ・メドレセでスザニを購入

ホテルで休憩し、US$の現金を持って再び旧市街のクカリダシュ・メドレセまで。

おすすめだったスザニを購入。写真はその中の1枚。

少し話して行きなさいよと言うことでその店員のおばさんと話をしたが、なんと同い年の41歳であることが判明。また32歳くらいでしょう、と言われてしまったので証拠にパスポートも見せた。

これまた家族の話になってなんともう孫もいるとのこと。僕はまだ結婚していないよ、と言ったら、「2年後にまた来なさいよ、1歳の子供を連れて。」と言われた。それってもう時間ないんですけど。

夕食はまたラグマン。

スザニを買った後、周囲をぶらぶら。タキ・サラファンの近くで売っていたのがラウヒ。最初この木細工は何に使うものかさっぱりわからなかったのだが、どうやら書見台というもので、本を置いて読むためのものらしい。どうしてそんなものがいるのかはよくわからないが、昔の分厚い本を、ユルタの中で読んだりするには便利なのかも知れない。

夕食はタキ・サラファンの近くのチャイハナでラグマンとコク・チョイ。店員には小さな、多分小学生高学年くらいの英語が話せる子供がいて、上から目線で"You're a good man"と言われた。ありがとう。

シャフリサブス(Shahrisabz / Шахрисабз)

シャフリサブスは小さな街で、交通の便も良いとは言えないので、日本人観光客の定番ルートでもないし、それ以外の観光客も日帰りが多いようだ。

でも、この街は古くからケシュまたはキシュとして知られ、アレキサンダー大王も滞在し、三蔵法師玄奘も立ち寄ったとされている。そして何よりも、ティムール帝国を築いたティムールが生まれた街として有名。ティムールは当初、帝国の首都を自身の出身地であるシャフリサブスにしようと考えていたらしいが、帝国の版図が拡大した結果、結局はサマルカンドを都に定めた。

中国では史国と呼ばれていた。

ティムールが築いた建築は後年かなり破壊されているが、街は世界遺産となっている。

現在のシャフリサブスはのんびりとした田舎町。行ってみて良かったと思う。

ウズベキスタン旅行で2010年6月6日（日）にブハラから到着し、1泊して2010年6月7日（月）にサマルカンドに向けて出発。

Wikipediaのシャフリサブス情報

到着

ブハラからカルシへ

2010年6月6日（日）の朝、ブハラのホテルをチェックアウト。フロントでシャフリサブスにどうやっていけば聞いたが、バスがあるか、あるいはマルシュルートカ、乗合タクシーがあるか、バスターミナルに行ってみないとわからないとのこと。ちなみに英語で話していたが、マルシュルートカはCommon Taxi、乗合タクシーはShare Taxiと言っていた。

フロントで相談してタクシーを呼び、2,000スムでシャルクバスターミナルまで送ってもらった。タクシーの運転手はバスやマルシュルートカはないので乗合タクシーにしたらどうだ、と進めてきて、まずはバスターミナルまで行ってよ、と頼んだが、結局バスはないというので乗合タクシー乗り場へ。

タクシー乗り場でドライバー達と話していたが、シャフリサブスまで直接行くタクシーは無いとのこと。ただし、カルシ(Karshi/Qarshi)で乗り換えていけるがそれで良いか、と言う。地図を見ると大して遠回りではないのでそれで行くことにした。ブハラからカルシまでが15,000スム、カルシからシャフリサブスが6,000スムで合計21,000スム、9:00出発で12:00か13:00に着くという。

メンバーはおばさん2人と男が1人。今度もところどころで検問がある。それ以外に途中で車が急減速したので何だと思ったらなんと大きなトカゲ。すかさず写真を撮った。車もぐるっとトカゲの周りを回ってみんなで見学。ちゃんと写真が撮れたか、と確認されてから再び出発。

11:30ごろ比較的大きな街についてここがカルシらしい。また乗合タクシーが集まった場所があって、そこで他の客と一緒に降りた。

カルシからシャフリサブスへ

カルシでタクシーの乗り換え。今度のドライバーは二十歳そこそこの若者というか若造。営業力が弱いのか、私以外の3人が揃うのに時間がかかったが、ようやく出発。今度は私以外、子供1人を含む男3人。

出発草々道でUターンしたら他の車にクラクションを鳴らされた。というかこの若造、まったく周りを見て運転していない。

シャフリサブスへの道は、これまでの砂漠と違って緑が多い優しい風景。しかし、運転は相変わらず荒く、強引な追い越しを繰り返して冷や冷やした。

13:00ごろシャフリサブスに到着。どこまで行くか聞かれたが、ホテルが決まっていないのでアク・サライに行きたいというと、アク・サライの裏手のやはり乗合タクシーが溜まったところで降ろしてくれ、あちらに歩いて行け、と言われて降ろされた。

宿泊

Orient Star

今回の旅行で唯一シャフリサブスの宿だけ予約していなかったので、到着してからホテル探し。といっても、地球の歩き方には1つしかホテルが乗っていなかったのでここに向かった。実際には後で別の新しいホテルを見かけた。

旧ソ連っぽい大きな建物だが廃墟のように静か。コの字型の一番奥のレセプションに行くと、男性が1人ぽつりといて、空き室があるというので決定。1泊US$35だった。

2階の部屋まで案内してもらい、後で石鹸を持ってくるよといって戻っていった。

建物もそうだが、部屋は相当に古く、ほとんど修繕がなされていない様子。タオル掛けはもげそうだった。部屋は広くてそこそこ快適だけど。

他に泊まっている客はほとんどいない雰囲気で、翌日の朝食も広い食堂でぽつねんと座って食べた。食堂のドアのとってももげていて、入れなくて困っていたら近くの掃除をしていたおばさんがノックをして、中から開けてもらっていた。うーん。ホテル自体は中に絵が飾ってあったりしてそれなりの設備なのに、もったいない。投資が必要です。

ちなみに、泊まった夜、部屋で本を読んでいたら突然電気が消えた。なんだと思ってベランダから外を見ていたら、なんとホテル全体が停電していた。この建物だけなのか、地域なのかは不明。これは良いチャンス、と思ってベランダから星を見ると、本当にプラネタリウムのようだった。結局15分くらい経つと何事もなかったように電気がついた。

シャフリサブスの街

シャフリサブスは小さな街で、基本的にはイパク・イユーリ通りという大通り1本が中心街となっている。

シャシリクで昼食

ホテルにチェックインした後、シャフリサブスの街へ。バザールの近くで肉を焼く良い匂いがするので店に入った。かなり庶民的な雰囲気の店で、シャシリク、ナン、コク・チョイを注文して4,800スム。

周りにはハエがぶんぶん飛び回っていてうっとうしい。さらに鳥も目の前でばたばたと飛んでいると思ったら、目の前の柱の上に鳥の巣があり、そこと行き来しているようだった。

シャシリクは肉と脂身を交互に串に刺したもので、かなりおいしい。

ドルッティロヴァット建築群

バザールを過ぎて道をどんどん進んでいくと、左側に青いドームが見えてくる。これがドルッティロヴァット建築群のコク・グンバス・モスク。

中庭に入ると座っていたおばさんが来て、チケット代を払った。コク・グンバス・モスクの中は修復工事をしていた。

コク・グバン・モスクの向かいにはくっついたように2つの廟がある。グムバズィ・サイイダーン廟の中には墓石があり、一番右の墓石のくぼみに溜まる水は病気の子供に効用があると信じられている。

中庭にいると、チケット売りのおばさんと一緒にいた女性が近づいてきて、しきりに手にした折りたたみ傘を見せて何か言ってくる。最初は売りつけているのかと思ったが、よく見ると「日本製」と書いてある。言葉はまったく通じないので困ったが、どうやら日本人にもらったものの、たたみ方がわからないということらしい。畳んであげると笑顔になった。

ドルッサオダット建築群

ドルッティロヴァット建築群からさらに公園を通って奥に行くとドルッサオダット建築群がある。ジャハーンギール廟が立っているが、損傷が激しい。

その奥にはティムールの棺と呼ばれる地下への通路がある。ただし、ティムールはここへの埋葬を望んでいたものの、サマルカンドのグリ・アミール廟に葬られた。

バザール

再びイパク・イユーリ通りに戻ってバザールへ。小さな街だがバザールは結構大規模。バザールは売り物の種類で区画が分けられていて、ドライフルーツ、果物、野菜、鶏卵、肉などいろいろなものがある。

バザールには好奇心いっぱいの人がいて、また寄ってけよといわれ、商品を食べるまねをしているところをおばちゃん達に混ざって写真を撮られた。せっかくだから買ってあげれば良かったけど、かなりお腹いっぱいなので遠慮した。

アクサライ

バザールの後、アクサライまで戻った。アクサライというのは白い宮殿という意味で、ティムールによって築かれた非常に豪華なものだったと言うが、現在は門の一部しか残っていない。

ティムール像のあたりは人が多く、記念撮影をしている観光客はもちろん、新婚カップルらしき人もいて賑やか。

アクサライは壊れかけているが、片側の部分は一番上まで上ることができる。てっぺんからはシャフリサブスが一望できる。

ホテルで一休み

暑くて疲れたのでホテルに戻って一休み。建物に入ると受付にいたおじさん達が何か食べている。スモモのような果物で、食べる？と言われて味見をさせてもらった。甘くておいしい。近くで獲れるものらしい。それにしても、ウズベキスタンに来てから、しょっちゅう食べ物を恵んでもらっている気がする。

近くのチャイハナでラグマンとシャシリク

ホテルで一休みしてから、ホテル近くでラグマンとシャシリクを食べた。

最初はラグマンとコク・チョイだけで軽く済ませようと思ったが、近くでシャシリクを焼いているのを見たら、おいしそうなので1本頼んだ。これは肉そのままではなく、挽肉を団子にして刺したもの。若い兄ちゃんが作っては焼いているのだけど、近くに友達が来るたびにその手で握手したりしている。うーん。

サービス料も1割くらい請求されたようで、6,000スムだった。

シャフリサブスの街歩き

夕食後、シャフリサブスの路地を歩いてみた。バザールの裏手のあたりから路地は迷路のようになっていて、迷ってしまいそう。

昼間は暑いせいか夕方くらいになると子供や若者など人が表に出てくるようで、角にグループで集まっておしゃべりしたりしている。横を通ると好奇心いっぱいの目で見られたり、女性達や子供達が"Hello!"と声をかけてくる。

民家はやはりとても質素で排水路からは匂いがしたりするが、ところどころにある扉の細工には感心してしまうものがある。写真は住宅地の真ん中にある普通のモスクらしき建物の扉だが、緻密な細工が施してある。確かにウズベキスタンは経済的には貧しいが、こうしたものを見ると文化的には豊かな生活をしているような気がする。

アクサライの前の広場から夕方の空を見ると、遠くに万年雪を被った山が見える。これだけ暑いのに雪が見えるというのも不思議だが、山々から流れ出す水があるのでこうした街ができているのだろう。

出発

1泊して2010年6月7日（月）、ホテルの広い食堂で朝食を食べた後、チェックアウトして、サマルカンドへ出発。

フロントには昨晩の男性と代わった若い女性がいて、キターブへの行き方を聞いたら、走っている小さなバスに乗れ、とのこと。

サマルカンド(Samarqand / Самарқ анд )

古くからサマルカンドは現在のウズベキスタン東部にあたるソグディアナの中心都市として栄えた。しかし、13世紀に街はモンゴルによって徹底的に破壊されてしまう。その後、ティムール帝国の都となって再び輝きを取り戻した。

現在でもよく知られた街で、世界遺産にもなっている。今回訪問したウズベキスタンの街の中では良くも悪くも観光地になっている気がしました。

中国では康国と呼ばれていた。

ウズベキスタン旅行で2010年6月7日（月）にシャフリサブスから到着し、2泊して2010年6月9日（水）にタシケントに向けて出発。

Wikipediaのサマルカンド情報

到着

2010年6月7日（月）にシャフリサブスからサマルカンドへ。

シャフリサブスからキターブへ

シャフリサブスの街中にはDAMASという車種の小さなバスがぶんぶん走り回っている。キターブという隣町と結んでいるバスらしいが、まさに途切れなくたくさん走っている。停留所はあるのかないのかよくわからず、道ばたに立っていると徐行して、乗るか？と聞いてくる。

シャフリサブスのホテルを出て、このバスに乗りこんだ。1000スムだったがかなりぎゅうぎゅう詰め。方向があるのかあるのかと思ったが、シャフリサブスの街中を巡回するように走っていて、どこで乗っても良いものらしい。

イパク・イューリ通りを下っていって左に回り込み、シャフリサブスに着いたときに車を降りたあたりを通り、北へ向かう。このあたりできれいなホテルを発見。地球の歩き方にはOrient Starが唯一のホテルと書かれていたが、別のホテルもあるようだ。

キターブの街中に近づくと、一緒に乗っていた男がしきりに話しかけてきて、「バザール」とか「パスマトリーチェ」とか言っている。パスマトリーチェってロシア語でどういう意味だっけ？と思い出せなかったが、後で調べたらどうやらバザールを見ていけ、とおすすめしていたらしい。

その男は途中で降りてしまったが、その後運転手に「サマルカンド？」と聞かれたので、そうだというと、乗合タクシー乗り場が集まっているあたりまで降りるように言われ、運転手に声をかけてサマルカンドへ行く乗合タクシーを見つけてくれた。

キターブからシャフリサブスへ

キターブからシャフリサブスへは10,000スムとのこと。またいつものように乗客4人が詰め込まれたが、1人は英語が少しできる若者で、サマルカンド州立大学の学生だという。ウズベキスタン中部あたりの出身で、勉強のためにサマルカンドに来ているらしい。ロシア語は当然できるようだが、英語はかなり片言。それでも運転手も含めた他の乗客にも通訳してくれたりして、なかなか楽しい車中となった。

ウズベキスタンではサッカーが人気であるということ。日本の選手も知っているよ、という話になったが、そういう私があんまり詳しくないので、ウズベキスタンはワールドカップに出ないのかと聞いたら、うーんと黙ってしまった。後で日本で聞いたら、日本はウズベキスタンに勝ってワールドカップ出場を決めたと言うこと。ごめんなさい。

それ以外に、クラッシュというウズベキスタンの格闘技も人気があると言っていた。また、おしんを知っていた。おしん、恐るべし。しかし、おしんは海外で有名だと良く聞くけど、私自身は実は見たこと無かったりする。でも、きっとちりとてちんのほうがおもしろいと思うんだけど。

ウズベキスタンに着いてから乾燥した風景ばかりだったが、キターブを出て山を登り出すと風景が一変。まるで日本の山のように木々が生い茂り、渓谷に川が流れている。途中峠で車が停止すると泉があり、みんな水を汲んでのどを潤していた。学生が汲んでくれたので、私も少し味見。

山を下り、サマルカンドが近づいてくると、今度はブドウ畑が広がっている。だんだん家屋がごちゃごちゃと並ぶようになってきて、サマルカンドの街中へ。午前中に着くことができた。レギスタン広場を過ぎたあたりで下ろしてもらい、学生とあいさつして分かれてホテルへ向かった。

宿泊

AZIYA-SAMARKAND

日本から予約していったホテル。サマルカンドの旧市街の中にあって、ビビハニム・モスクやシャブ・バザールにも近い。

チェックインすると角部屋でとても良かった。しかし、早速シャワーを浴びたら水で、レセプションに言ったらお湯が出てきた。

サマルカンドの街その1

2010年6月7日（月）は午前中にサマルカンドに着いたので、早速観光。

本当は国立文化歴史博物館に行きたかったのだが、これは公園になってしまっていた。移転したのかと思ってフロントで聞いたが、"moved?" "removed!"という会話の結果無くなってしまったことが判明。

両替

ブハラで予想外に現金を使ってしまったせいもあって、US$ではなく、たまたま持ち合わせていた日本円を両替したいと思った。ブハラのホテルではレートも悪く、かつ1万円札しか受け付けられず、すぐに紙幣が準備できないという状態だった。泊まっているAZIYA-SAMARKANDにはフロントの横に両替ブースがあったので、頼んでみたら日本円は受け付けない、とのこと。フロントで聞いてみたら、プレジデントホテルに行ってみては、とのこと。

プレジデントホテルは新市街の入口にあるので、街に出て歩き始めたが、途中にあったアフラシャブ・パレスホテルも大きいので、中を覗いてみると両替ブースがあり、日本円も受け付けている模様。レートも悪くない。昼休みのようだったので待ってしばらくすると、タジク人ぽい女性が戻ってきて、両替してくれた。10,000円が174,000スムになるので、1,000スム札でも174枚になる。札を数え始めたので、やっぱり数えるんだ、と思って見ていたが、74枚数えると、はい、残り100枚とぼんとおかれて終了。輪ゴムをもらって札束をポケットに押し込む。一気に金持ちになった。

ルハバッド廟

懐が豊かになったので早速アフラシャブ・パレスホテルの向かいにあるルハバッド廟を観光。地味な建物で14世紀後半に建てられたという。

グリ・アミール廟

ルハバッド廟を抜けると土産物屋がかたまった一角があり、そこをさらに抜けていくと公園の奥にグリ・アミール廟がある。

ここはティムール一族が葬られている。ティムール自身は生地のシャフリサブスに葬って欲しかったようだが、結局ここに眠ることとなった。

プロフで昼食

昼食はレギスタン広場近くのチャイハナで。プロフとナンとコク・チョイで5,000スム。

サマルカンドはこのナンで有名で、ヒヴァの薄いナンとは違い、かなり分厚いパンのようなもの。町中のいろいろなところで売っている。

プロフも肉がどかっと載っていてブハラで食べたものとは違う。ちなみにサマルカンドまで来る乗合タクシーで一緒になった学生は、プロフはNational Foodだと言っていた。こんなに乾燥した国のどこで米を作るのか聞いたら、西部のホレズム地方で作っているということ。砂漠もある国で名物料理が米というのもやはり不思議な感じがする。

レギスタン広場

これぞサマルカンドという場所がレギスタン広場。正面にティラカリ・メドレセ、右にシェルドル・メドレセ、左にウルグベク・メドレセと3つのメドレセが並んでいる。ティムールが築いたサマルカンド、というが、シェルドル・メドレセやティラカリ・メドレセは17世紀に作られているから、ティムール帝国の後のブハラ・ハーン国の時代に完成したことになる。

また、現在では美しい姿になっているが、これらは昔からの姿ではない。荒れて廃墟のようになっていたのを旧ソ連時代から修復が続けられてきたということ。

夜はライトアップされ、光のショーが行われるが、ミナレットの頂上が光ったり、センスはどうか・・・。

レギスタン広場では、この旅行で始めて日本人にあった。ぶらぶら歩いていたら、ツアーのバスが止まり、中から降りてきて、凝視された。お腹は大丈夫？と聞かれたが、大丈夫です。

ウルグベク・メドレセ

広場の左にあるのがウルグベク・メドレセで、1420年のティムール帝国時代に建てられた。ウルグベクはティムールの子孫だが天文学者でもあり、星をイメージさせるデザインになっている。

シェルドル・メドレセ

広場の右にあるのがティラカリ・メドレセで、ブハラのナディール・ディヴァンベギ・メドレセと同じように、偶像崇拝を禁じるイスラム教でありながら、顔が描かれている。

ティラカリ・メドレセ

広場の正面にあるのがティラカリ・メドレセ。中庭に入ると礼拝所のドームがある。中に入ると金で豪華に装飾されている。これも修復されたもの。

ビビハニム・モスク

これもサマルカンドを代表する巨大なモスク。

ティムールが築いたもので、ビビハニムとはティムールの妃。完成はしたものの崩壊してしまって廃墟となっていたという。

ダウン

ビビハニムモスクを見た後ホテルに戻ったら、疲れてしまってダウンして寝てしまった。夜になってから少し街を歩いてみたが、食欲もなく夕食を抜いて寝てしまった。

ちなみにサマルカンドの街は昼は観光客が多いが、夜暗くなると地元の人がぞろぞろと街に出てくる。子供も昼はあまりいなくて、夜涼しくなってから外で遊んでいるようだ。

サマルカンドの街その2

2010年6月8日（火）、サマルカンド観光の二日目。前日は中心部を見たので少し足を延ばしてみた。

ビビハニム廟

ビビハニム廟はビビハニム・モスクの向かいにあり、ビビハニム自身を葬っている。中は白と紺を基調とした清潔感があるデザイン。おもしろいのは中に「目のお守り」があったこと。これはトルコのナザール・ボンジュウと同じ。

シャブ・バザール

ビビハニム・モスクの隣にあるのがシャブ・バザール。中では野菜、果物、ドライ・フルーツなどいろいろなものを売っている。ベリーを売っているコーナーがあって、ジュースを飲ませてくれる。ただではないけど。グラスの大きさが同じではないところが適当というか。

大きな砂糖の結晶のようなものも売っていて、これには蜂がたくさんたかっていた。

肉売り場もあったが解体されたものを手づかみでやりとりしていて、結構刺激的だった。

シャーヒズィンダ廟群

ビビハニム・モスクの前を通り過ぎてどんどんすすむと丘が見えてくる。この丘の入口のあたりにあるのがシャーヒズィンダ廟群で、たくさんの廟が並んでいて壮観。ただし、昔はもっとたくさん廟があったらしい。

ハズラティ・ヒズル・モスク

アフラシャブの丘にすすむ入口にあるモスク。モスク自体より、モスクから見るサマルカンドの眺めが良い。

アフラシャブ博物館

アフラシャブの丘を暑い中ひたすら歩いて行くとあるのがアフラシャブ博物館。7世紀のワルフマン領主の宮殿から発見された壁画が飾られている。これを見ると、かつて済んでいたソグド人はイラン系のような顔つきをしている。

アフラシャブの丘は今では何もないが、かつてはサマルカンドの街自体がこちらにあった。しかし、古い町はモンゴルによって徹底的に破壊されてしまい、その後に今の街が築かれた。

博物館の中では、監視員のおばちゃん達が自分で作ったらしい編み物や刺繍の商売に忙しい。

ダニエル廟

アフラシャブ博物館からさらに歩いて行くとダニエル廟がある。紀元前の聖人ダニエルを祭っているという。

廟は川沿いに歩いて行ったところにある丘の上にある。入口の若い女性は、イラン系のなかなかの美人だったが、日本語が少しできるようで、こんにちはとあいさつをされ、ありがとうといったら、どういたしまして、と言われた。突然日本語ができる人っているんですよね。不思議な感じ。

写真では見にくいが丘の上に細長い廟があり、その中いっぱいにこれまた長い棺がある。

ウルグベク天文台跡

ダニエル廟からさらにさらに歩いて行くとウルグベク天文台がある。ちょっとした公園のようになっていて、階段を上った丘の上に天文台の跡が細長くある。向かいの博物館は閉まっていたが、天文台跡には入れた。中にいたおばちゃんが一生懸命説明してくれた。ただの溝が残っているだけだが、これは1908年に埋もれていたのが発見された基礎部分で、もともとは巨大な六分儀があったという。

ティムールの末裔であるウルグベクは天文学者としても有名で、この時代のティムール帝国は文化や科学の麺でも高い水準であったことがわかる。

マンティで昼食

帰りは疲れたのでバスで帰ることにした。

ウルグベク天文台から少し歩いたところにある乗合タクシー乗り場のような処にチャイハナがあったので、そこでマンティとコク・チョイを頼んで休憩。いかにも地元の人が利用するような庶民的なところ。マンティはいくつか聞かれたので5つ頼んだ。全部で3,700スム。

昼食後、45番のバスでシャブ・バザールの反対側まで行き、そこから歩いてバザールで干し葡萄（0.5kg、6,000スム）を買い、ホテルに戻って少し休憩した。

新市街

休憩後は新市街に3番のバスで行ってみた。

まずグム百貨店でおり、中を見た。百貨店と言っても露店がたくさん入ったビルという感じ。

近くのバザールを見たが、ここはシャブ・バザールよりずっと小さかった。

ナヴァイー通りからブリバール通りを通り、ティムール像の前を通って旧市街に戻った。公園があったりしてきれいだが、ところどころで工事をしていたりするし、きれいな店が並んで賑わっているという訳でもない。まだまだ発展の余地があるといった感じ。

夕食はシャシリク

新市街から旧市街に入り、ルハバッド廟の裏のお土産物屋で少しお土産を買い、レギスタン広場前のあたりで夕食。建物の前を通ったらメニューが置いてあり、誘われるまま入ったら、中庭のようなところがレストランになっていた。

シャシリク2本とナン、コク・チョイを注文して4,000スム。周りのテーブルではみんなビールを飲んでいて、禁酒中のみにはつらかった。イスラム教の国なんだけど、ビールを飲んでいる。酒屋もある。ただし、みんなそんなにたくさん飲んだりはしていない。近くのテーブルでも飲み慣れないのか1杯くらい飲んだだけで1人はダウンして寝てしまっていた。

出発

2010年6月9日（水）、サマルカンドからタシケントへ向けて出発。

ホテルをチェックアウトしてから荷物を預けてシャブ・バザールでドライフルーツを追加購入。

ホテルで荷物を受け取り、バスでサマルカンド駅へ。

タシケント(Tashkent / Ташкент )

タシケントはウズベキスタンの首都。ウズベキスタンの他の都市と違って、建物や道行く人の服装も都市という感じがする。タシケント自体も古い都市だが、ロシアがこの地にトルキスタン総督府の首都を置いたことから現在に至っている。

かつては従来からの旧市街、ロシア人が築いた新市街に分かれていたと言うが、1966年の大地震で街並みは大きく変わったとのこと。

中国では石国と呼ばれていた。

ウズベキスタン旅行で2010年6月9日（水）にサマルカンドから到着し、1泊して2010年6月10日（木）に成田へ向けて出発。

Wikipediaのタシケント情報

到着

2010年6月9日（水）にサマルカンドから特急シャルク号で到着。

サマルカンドのホテルをチェックアウトして3番のバスでサマルカンド駅に向かった。バスは結構混んでいたが、近くに座っていた女性が荷物を置く場所を作ってくれた。ウズベキスタンの人は親切。

鉄道の切符は日本の旅行代理店で手配したもので、サマルカンドのホテルに届けられていたものを受け取った。サマルカンド駅に入り、この切符を見せるとプラットフォームへ進む方向を教えてくれた。地下道をくぐってプラットフォームに出ると、これまたナンを売るおばさん達がたくさんいた。ジュースなどを売っている人もいる。

列車が来ると乗客が集まってわさわさと乗りこむ。不意に前にいたヨーロッパ系の年配のカップルの女性に「こんにちは」とあいさつされた。オランダ人で、以前日本に旅行したことがあるそうだ。日本と違って列に並ばないわよね、と言われたが、日本も昔はそうだったのだと思う。

特急の二等車で、11:15ごろ出発。席は狭くはなかったが、暑いし結構揺れて、乗り心地がよいとは言えなかった。

遅れて15:00ごろにタシケントに到着。駅の前が地下鉄の駅なので階段を下りていくと、警官に声をかけられて荷物を開けるよう言われた。難癖をつけて賄賂を要求されるという話も聞いていたので嫌だなあ、と思ったが、そんなことはなく、チェックが終わると大まじめな顔で敬礼された。

地下鉄のアリシエール・ナヴァイー駅で降り、てくてくと歩いてホテルに向かった。

宿泊

PARK TURON

日本から予約していったホテル。

ウズベキスタンでこれまで泊まったホテルののんびりとした雰囲気と違って、現代的なホテル。情緒はないけどゆっくり休める。ビジネスできているのか韓国人が多かった。

地下鉄の駅からは結構歩くが、ホテルの横を25番のトラムが走っている。

タシケントの街その1

到着した2010年6月9日（水）、早速タシケントの街へ。

ティムール広場

まずは新市街に行ってみた。新市街は砲弾型の区画に整然と道が整備されている。その真ん中にあるのがティムール広場。

ナヴァイー劇場

新市街にあるナヴァイー劇場は、第二次世界大戦後に抑留された日本人が建設したことで有名。中心となったのは奉天（現在の瀋陽）から送られた永田行夫大尉が率いる第10野戦航空修理廠の約250人。

このナヴァイー劇場は1966年の大地震で他の建物が倒壊する中でほとんど被害を受けず、日本人の評価を高めたという。

2001年には日本人による日本のオペラ「夕鶴」が上演され、建設にあたった10人の日本人も招待されたという。

新市街の中心

新市街にはスーパー、映画館らしきものもあるが、東京に住んでいる感覚から言うと閑散としている。

街を歩いていると、他のウズベキスタンの都市よりもロシア人が多い気がする。

ショルバとノリンで夕食

夕食はアンホール運河近くの大きなチャイハナで、ショルバ、ノリン、コク・チョイ。あわせて8,900スム。ショルバは大きな肉が入った脂っこいスープ。ノリンはつけ麺。麺に肉がふりかけのように載っていて、コンソメスープに付けて食べる。コク・チョイもなんとティーバッグだった。

タシケントの街その2

タシケントに到着した翌日の2010年6月10日（木）、チェックアウトしてホテルに荷物を預け、夕方までまた観光。

文学博物館

ホテルを出てトラムに乗ろうとしたが、上海協力機構の首脳会議が行われるらしく、トラムも含めて車も人も新市街側は進入制限をしていた。仕方なく反対方向に歩いて文学博物館へ行ってみた。

この文学博物館はナヴァイーの名を冠している。ナヴァイーはティムール帝国の宰相でありながら、詩人、画家としても活躍し、ペルシャ語だけではなくテュルク語でも作品を残した。

中に入ったら客は私以外に誰もおらず、行く部屋行く部屋で電気を点けてくれたのでちょっと緊張した。あなたは文学者なのか、と聞かれたが・・・普通のサラリーマンです。

チョルスー・バザール

地下鉄でチョルスー・バザールへ。ここはとにかく巨大なバザール。駅を降りてからもうバザールが始まっていて、中心部には大きな2階建ての建物があり、そこもバザールになっている。

バラク・ハーン・メドレセ、ジュマ・モスク、カファリ・シャーシ廟

タシケントにもメドレセやモスクがかたまったエリアがあって、チョルスー・バザールの裏から歩いて行く。ザルカイナル通りという通りを行けば良いのだが、なかなか見つからず、水を買ったときに方向を教えてもらってやっとわかった。非常にわかりにくい普通の道で、歩いて進んでいっても全くの住宅街で、右に曲がったり左に曲がったりしているとこの道で良いのか不安になる。

歩き続けていくと青いドームがちらちらと見えるようになってきて、ハズラティ・イマーム広場に出る。

この広場にはバラク・ハーン・メドレセがあり、その反対側には巨大なジュマ・モスクがある。その間には小さな建物があり、コーラン博物館となっている。オスマン・クラーンと呼ばれる古いコーランがあり、大事に管理されている。サマルカンドのビビハニム・モスクにあるラウヒ（書見台）は、このコーランを置くためのものだったという。

さらに奥にはカファリ・シャーシ廟という聖人の廟がある。

シャシリクで昼食

再びチョルスー・バザールに戻り、ドライフルーツを購入し、バザールの中のチャイハナでシャシリクを注文。2種類頼み、ナンなしてコク・チョイを頼んで2,900スムだった。

再び新市街に行こうとしてチョルスー・バザールから歩いてトラム乗り場に行ったが、なかなかトラムが来ない。そして暑い！！！

待っていたら他に2人の若い女性も来たが、彼女たちは地下道の階段の日影に隠れて待っていた。

ようやくトラムが来たらその2人も出てきて、そのうちの1人の若い女性が"TOO HOT!!!"と笑って話しかけてきた。全くだ。

ウズベキスタン美術館

新市街についてまずはウズベキスタン美術館。時間が迫っていたのでざっとしか見られなくて残念。木細工も飾ってあるが、2階のスザニの展示が素晴らしかった。各地方のものが飾られていて、地方毎に模様の違いがあることがよくわかる。また、大きなスザニなのに、ほとんどの面積が刺繍で埋め尽くされ、膨大な手間暇をかけていることがわかる。

ウズベキスタン歴史博物館

続いて歩いてウズベキスタン歴史博物館へ。ここも時間の関係でざっとしか見られなかった。ウズベキスタンの複雑な歴史を反映していろいろなものが展示してあるが、英語の説明があまりないので、歴史がわかっていないとつらいかも。また、英語の解説が所々あったとしても、突厥とかも英語で書いてあると思われ、全然よくわからなかった。

ツム百貨店

歴史博物館を見た後はツム百貨店に行き、あまりに暑いのでファンタを飲んだ後、お茶などのお土産を買った。タシケントの空港にはお土産物屋が1つしかなく、品数も少なく値段もとても高いので、お土産を買うならツムで買うと良いと思う。

出発

新市街からホテルに戻り、預けていた荷物を受け取り。受け取りと言いつつ、タクシーで空港に行くと行ったら、そのまま荷物を持ってホテルの前の道路まで運んでくれ、タクシーを拾って値段交渉までしてくれた。空港までは5,000スム。

タクシーの運転手は話し好きで、日本の製品は品質が高い、何十年前に買ったソニーのビデオはまだ動いているんだ、と言っていた。ウズベキスタンを旅行していると、車も含めて韓国製や中国製の製品ばかり。日本製が良いというのは古い製品の話。日本は良いイメージを持たれているけど、その賞味期限も切れかかっているのかも知れない。

タシケント空港に着いて運転手に金を払うと、おまえと話せて良かった、と言われた。こちらこそ。

21:05発のウズベキスタン航空HY527のB757で出発し、翌6月11日（金）の9時頃成田空港着。成田エクスプレスで東京まで行き、中央線で帰宅した。

このページに関するご要望は高谷　徹(toru@takayas.jp)まで

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